株式会社佐野では、素材に応じた染料の選定から、染色方法の技術提供まで、染色に関わるあらゆるノウハウを蓄積し、ご提供しています。
布・紙といった素材への染色を中心に、繊維の種類ごとに異なる染料(セルロース系、ナイロン、ポリエステル、シルク、ウールなど)に対応。反応染料、直接染料、酸性染料など、素材や用途に最適な処方をご提案します。
伝統的な直染めの手法や、化学的な再現性のある反応染料の使い分けなど、「職人の勘」と「データによる染色」のどちらの経験もございます。
また、染料に加えて、昨今国内生産が難しくなっている国産刷毛・スケージ・コマベラなどの職人道具の提供も行っており、現場に必要な資材一式を揃えることができます。必要な方は一度ご相談ください。
染料や染色技術に関するご相談は、素材に対する最適な染料の選定から、仕上がりの色合いや堅牢度への対応まで多岐にわたります。
たとえば、「この素材にどの染料が合うか」「退色しにくい染め方はあるか」「伝統的な手法を活かしつつ、ある程度の再現性を保てる方法は?」など、技術と表現のバランスに関するお声が多く寄せられています。素材ありきの染色設計が必要であるため、現場に即した技術アドバイスを求められるケースがほとんどです。
また、染色ミスや色の再現性に関するトラブル対応や、「職人の勘」でやってきた伝統染色をどう次世代へ継承するかというテーマに関する相談もあります。ときには、道具や薬品が手に入らなくなった現場から、「代用品を一緒に探してほしい」といった声も届きます。
佐野染料では、こうした多種多様な問いに対し、化学的な知見と職人技の両面からアドバイスを行い、技術的な困りごとの「駆け込み寺」的な存在として、長年お応えしています。
株式会社佐野の持つ技術は、単なる色材の選定にとどまらず、素材・道具・工程すべてにわたる総合的な知識と現場経験に支えられています。
たとえば、京都ならではの直染め文化を支えてきた「地直し屋」や「蒸し屋」などの職人たちは今や希少な存在となりつつありますが、その仕事の意味や工程のつながりを知ることは、染色の価値を未来につなぐ鍵だと考えています。
染色の魅力や奥深さを若い世代に伝えていくために、表に出る「色」だけでなく、その裏にある「技」や「人」の存在も見せていくことが、これからの私たちの大切な仕事です。
一人でも多くの人に染色の本質を感じてもらえるよう、これからも情報発信やコラボレーションの場を広げていきたいと考えています。